~ふくしまから生まれたつながりを大きな輪に~チャレンジふくしま塾。の学生が語る復興というカタチの“今と未来”特集記事災害復興支援室

東日本大震災から間もなく7年が経過。2017年4月、立命館は福島県とタイアップしてより多くの学生が現地の方々と交流を、深め気づきを得ることを目的とし「チャレンジ、ふくしま塾。(以下、ふくしま塾)」を開講。学生らは現地に足を運び、生の声を聞くことで“何を感じ、何を想う”のか。学生らは“復興”をどのような形で捉えるのか。復興というカタチの“今と未来”について、語ってもらった。

久保田副室長ふくしま塾に参加したきっかけや感想などを聞かせてください。

吉村ふくしま塾に参加するまでは「そよ風届け隊(※1)」に所属し、楢葉町を中心に活動してきました。福島県=楢葉町のイメージが強く、それ以外の町の状況は知らなかったので、活動をきっかけに視野を広げることができました。また、多くの方に出会う中で印象的だったのは「復興」のカタチが多様であること。例えば、小高ワーカーズベース(※2)の方は地域の課題をビジネスの観点から復興を進められていて、勉強になりました。

田中宮城県や岩手県など東北地方にはサークル活動で訪れていましたが、ふくしま塾をきっかけに訪れた福島県は、原発事故の影響下に置かれている独特な状況であり、他の地域との違いを肌で感じました。また、現地に関わることで「本当に被災地のためになること」や「私達がするべきこと」などを深く考えさせられました。ふくしま塾をきっかけに、東北で活動する方々とのつながりを持つことができ、今では、現地で経験したことを関西で伝える機会などに取り組んでいます。

久保田副室長福島県に行く前後では、復興というイメージ、言葉の捉え方はどう変わりましたか

森活動当初は復興について考えたこともなく、なんとなく良くなっていくものだと考えていました。しかし、ふくしま塾やそよ風届け隊の活動を機に、ビルドバックべター(※3)という考え方が重要であると感じ、震災前に無かったことを生み出すことを意識した活動を行うように意識しました。一方で、「復興」に捉われる活動について疑問に思うこともあります。福島県で生活する人は、復興の定義がどうあれ生活が変わるわけではありません。

吉村京都では「きっかけ食堂(※4)」に参加することで福島県出身の方とお話しする機会があります。そこで出会った方との話ですが、「君たちは震災前の状況を伝聞でしか知らないので、本当の姿は知らない。福島の町を元の状態に戻すことはできないし、できないことを認識した上で活動すべきである」という助言を頂きました。復興とは、以前の姿に戻すだけではなく、震災をきっかけに、新しい風を吹かせることを大切にすることも復興であると思います。

久保田副室長福島県庁として、大学とタイアップして取り組むことは早々ないと思います。これまでふくしま塾では2度、福島県に訪問しましたが、学生の印象はいかがでしょうか?

竹林 学生は非常に頼もしい存在です。行政としては立命館との連携により、学生に福島県に来てもらうことが仕事であると当初は考えていました。その後、学生らが個人的に福島県を訪問し、ふくしま塾で生まれたつながりをきっかけに、活動の幅を自主的に広げていることは頼もしい限りです。

久保田副室長 塾頭の丹波先生はふくしま塾をオーガナイズされていますね。ねらいや意図はあるのでしょうか。

丹波塾頭東北地域は、これまでにも災害復興支援室として関わってきました。今回、福島県庁と連携してふくしま塾を開講しましたが、関西の大学として、震災から6年以上経つ福島県の現状をどう理解してもらうのかを試行錯誤しながら進めてきました。1点目は、福島県の光と影を知ること。震災を機に地域でチャレンジする人がいる。一方で震災の影響で様々な困難を抱える人がいる。その両方を見てもらうことが大事だと思っています。学生一人ひとりの受け止めはそれぞれですが、イメージしていた福島県の被災地・復興のイメージが変わったことは言うまでもありません。2点目は、ふくしま塾は単なるきっかけにすぎないということです。学生たちには、活動を通じて福島県に関心をもってもらうこと、地元の方々と関わる場を創出することが活動の目的であり、次に行動するのは学生次第。そのきっかけを作ることはできたと思っています。今後は、福島県と関わる、関心ある人々を増やすこと(関係人口)が重要だと思います。特に震災から間もなく7年が経つ中で、関西でも大学生が中心となって存在することは意味があり、そうしたきっかけづくりにふくしま塾はなっているのではないでしょうか。

久保田副室長では、少し踏み込んで、この先の未来について軸足を置きましょう。みなさんが福島県で活動する中で感じる課題、あるいは課題に対してアプローチできることはありませんか?

森私が関わる浜通りでは、行政、ボランティアの方々によって地元住民へ「支援してあげる」ことが多く、町民からは支援馴れしてきているとの声も出ています。そのため、一方的な支援や参加無料といった形は現状に即していないと思います。福島の方々が生活している自分たちの土地を、自分たちで盛り上げようとする意識が必要であり、その意識を一緒に高めるきっかけを作りたいと思っています。

田中2点あります。1点目は、多くの方が福島県で努力している現状、それぞれが新しいことに挑戦している現状を、知らない人へ伝えることが大切です。2点目は、現地の方々が自立することです。寂しい面もありつつですが、私たちの関わり方も工夫が必要です。

吉村京都から福島に関わるものとしての視点ですが、京都と福島の精神的距離を縮めるべきだと思います。関西は距離が遠い分、精神的距離を縮めることが支援にもつながると考えています。そよ風届け隊では、福島県の光と影を伝える活動を行っており、影の部分では京都で福島の今を感じてもらうことを目的とした「life生きてゆく」の上映会を開催し、約80名の来場者にお越しいただきました。光の部分は福島県の食の魅力を発信するため、「公開!若者作戦会議 やる気ラボ」(※5)を開催。福島県の光と影、両方を見せることが大切です。

久保田副室長今後ふくしま塾や立命館大学として、やってみたい、実現したいことがあれば教えてください。

古橋福島県の方が作ったものを関西で販売するマーケットを開催し、福島県のことを知ってもらう機会を作りたいですね。

森地域・分野に学生が分かれ、それぞれ特化した活動する枠組みがあれば面白いのではないでしょうか。2017年の活動ではたくさんの人に会う機会をいただき、チャレンジする土台ができました。これまで培ってきた土台を活かして、来年度以降はたくさんチャレンジしてもらいたいです。

久保田副室長最後にみなさんの今後の活動について教えてください

吉村 ふくしま塾で得た経験・出会い・つながりを大切に、さまざまな形で福島県と関わり、これからも寄り添い続けた活動を行っていきたいです。

古橋福島県の現状の厳しさだけではなく、様々な角度から行われる復興のやり方について、情報発信を続けていきたいです。

田中ふくしま塾の活動を通して多くの経験を積み、成長することができました。今後は、自分だけではなく、関わった地域の成長にも寄与していくため、これまでのつながりを活用しながら、活動を広げていきたいです。

森ふくしま塾の活動は、大学からの補助で運営されていて、学生らに投資して頂いていると思っています。私は、福島県に関わる活動を始めてから、学生生活がさらに楽しく充実したものとなりました。社会人になってからも福島には、今後も変わらず足を運び、現地の方と「腕を組んで」一緒に歩んでいきたいです。

竹林震災への関心は時代とともに薄れてくるものです。立命館大学の活動は西の情報発信の拠点であります。2018年は福島県と立命館大学の協定5周年の年。ふくしま塾は2年目を迎えますが、1年目以上によい活動にしていきたいですね。

丹波塾頭福島県をこれまで見てきて、「理解」をしてもらいたいという現地の方々は多い状況です。立命館の中でも、関西でも、福島県のことを想ってくれる人が一人でも増えていけるように、活動を続けたいですね。

“ふくしま”に行かなければ見ることのなかった景色。出会うことのなかった人びと。共に体験したからこそ感じた想い。“復興”のカタチは人それぞれ。忘れることのない一生の体験を、ふくしまの地で、いままでも、これからも。

(※1)東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故により全町避難を余儀なくされていた福島県楢葉町で町民のコミュニティ形成、楢葉町と立命館大学のつながりを深めることを目的に2013年2月に活動をスタート。これまで仮設住宅の集会所での「足湯カフェ」開催、町民の方への傾聴活動やコミュニティ形成活動、楢葉町の稲刈り作業ボランティア、町民の方々と協同で、「ならはかわら版」の発行など行っている。

(※2)2014年5月、小高区に帰還する、または帰還を検討している住民の暮らしを支えるために立ち上がった組織。原発事故避難区域の「100の課題」から「100の事業の創出」を目指し、コワーキングスペースの運営等による住民や来訪者の拠点づくりを行っている。

(※3)震災前の状態よりも良くする考え方。

(※4)東北の食材を使った料理やお酒を提供し、その味を通して、東北や震災について考える「きっかけ」をつくりたいと、2014年5月に立命館大学の学生三人が立ち上げた。

〒604-8520 京都市中京区西ノ京朱雀町1学校法人立命館 災害復興支援室

THE END
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