本専攻は、言語と文学を研究対象の中心に据え、それと密接に関連する文化現象全般にも注意を払いつつ、広い視野から教育研究を進めます。 本専攻は、日本アジア言語文化学コース、ヨーロッパ・アメリカ言語文化学コースの2コースで構成されています。 本専攻において、高等学校教員の専修免許(国語・英語)を取得することができます。また、課程修了後は、博士後期課程の人文科学専攻・比較文化学講座に進学し、博士の学位を取得する道も開かれています。
本専攻では、国語学・国文学・中国文学・中国語学・英語学・言語学・イギリス文学・アメリカ文学・ドイツ文学・フランス文学など、多彩な専攻分野にわたる教員の懇切丁寧な指導の下、一見まったくかけ離れた二つの科目を共に履修したりすることによって、豊かな好奇心と広い視野をはぐくむとともに、自身の研究テーマを個別的に深く研究する探究力を養うことができます。
平成30年~令和4年度
【進学】奈良女子大学大学院
【教員】島根県、長野県、栃木県、高知県、静岡県、大阪府、育英西中学校・高等学校、東洋大学附属姫路中学校・高等学校、愛光学園、学校法人四天王寺学園四天王寺高等学校・四天王寺中学校、明星学院浦和学院高等学校、賢明女子学院中学校・高等学校
【公務員】名古屋市
【企業・団体】スミセイ情報システム(株)、ウルシステムズ(株)、(株)アーキテクト・ワンズ、佐川グローバルロジスティクス(株)、損保ジャパンキャリアビューロー(株)、(株)ウィルウェイ、(株)アールテクノ、(株)コンベンションリンゲージ
【その他】大阪天満宮、奈良先端科学技術大学院大学
修了生たちは様々な分野で、多様な仕事をしています。どんな仕事をしているのか、奈良女子大学大学院での経験がどのように活かされているか、教えてもらいました。
菊池 楓佳さん
言語文化学専攻日本アジア言語文化学コース2022年度修了奈良女子大学大学院博士後期課程 人文科学専攻
奈良女子大学大学院博士後期課程 人文科学専攻
菊池 楓佳さん
言語文化学専攻日本アジア言語文化学コース2022年度修了奈良女子大学大学院博士後期課程 人文科学専攻
奈良女子大学大学院博士後期課程 人文科学専攻
わたしは現代中国語、特に「犬!」・「水!」等、中国語の名詞一語文について研究をしています。修士論文でもこのテーマについて扱いましたが、先行研究の読み込み不足や用例の解釈不足など、不完全なところが多々ありました。そのため博士課程では、反省点を踏まえながら論文作成に取り組んでいます。
修士課程では、同級生同士仲がよかったため、研究室はいつも賑やかでした。自分たちの研究の話で盛り上がることも多く、他分野の知識を深めるきっかけになりました。また、授業は学部生の時に比べ、受講する生徒が少なくなるため、先生方とより密にお話しすることができるようになります。
文系の大学院進学は、理系ほどメジャーでないため不安に思うことも多いと思います。しかし、修士課程で学ぶ内容は、学部生の時とは比べ物にならないほど深く、面白いです。鹿が時折来ては、(おそらく)応援してくれる大学で、自分の専門をさらに極めてみませんか。
羽生 晴菜さん
言語文化学専攻日本アジア言語文化学コース2022年度修了株式会社ウィルウェイ 馬渕教育グループ高校受験事業部
株式会社ウィルウェイ 馬渕教育グループ高校受験事業部
羽生 晴菜さん
言語文化学専攻日本アジア言語文化学コース2022年度修了株式会社ウィルウェイ 馬渕教育グループ高校受験事業部
株式会社ウィルウェイ 馬渕教育グループ高校受験事業部
在学時に得たものは諦めない心と別の手段を考える余裕です。日本文学という狭く広く深い分野を、専門の先生方や友とともに学べた2年間は本当に貴重なものでした。卒論と修論はどちらも『松嶋日記』という作品を扱い、ひとつの作品をきちんと読むことの難しさと面白さを体感しました。教育にも関心があったため、在学中に専修免許を取得しました。学校の先生そのものではありませんが、今の進路に繋がっていると思います。得た知識をそのまま使うことはあまりありませんが、自分ができることはどんどんやってみようという意識は、大学院での学びで研がれたものだと思います。在学生の皆さんへ、まだ知りたいことがあれば是非、大学院へ進んでみませんか。書かれたことばから見える作者の意図、作品が成立したであろう時代の背景を拾っていきながら、最後にその作品は結局どういうものなのか定めることの面白さを学べます。奈良女子大学に来た皆さんが心のままに研究に打ち込めることを切に願っています。
荒木 琴乃さん
言語文化学専攻ヨーロッパ・アメリカ言語文化学コース2022年度修了私立中高一貫校教員(英語)
私立中高一貫校教員(英語)
荒木 琴乃さん
言語文化学専攻ヨーロッパ・アメリカ言語文化学コース2022年度修了私立中高一貫校教員(英語)
私立中高一貫校教員(英語)
私が進学した理由、それは学問をより深く追求するために他なりません。コロナ下の厳しい環境ではありましたが、信頼のおける先生方から手厚いサポートを受け、大学院に進学して初めて、心行くまで研究に没頭することができました。大学院では、英語の指示詞thisの用法のうち、歴史的に新しく、インフォーマルな話し言葉で用いられるある1つの用法に着目しました。「不定のthis」と呼ばれるこの用法は、thisのその他の用法や冠詞、また、言語を超えて日本語との比較的観点から見ても非常に興味深い言語表現です。学問としての言語学は、外国語としての言語学習とは性格を異にしますが、研究や精読を通して磨かれた言語的感性は言語教育にも活かされると思います。また、こうして自分の研究に専念した結果、専修免許状を取得できたことも大きな収穫の1つです。大学院での学びをその後のキャリアにどう活かすかということを念頭に置きつつ、探求心と向上心を持って学問に真摯に向き合うことが大切ではないでしょうか。
国語学・国文学、中国語学・中国文学など東アジアの言語文化を研究するコースです。日本や中国の幅広い時代とジャンルの文学作品を、地域・時代・流派・作家などさまざまな切り口で丁寧に読み、その特質を考えていきます。
あるいは、日本語・中国語ということばそのものの仕組みについて、歴史・文法・語彙などいろいろな観点から考えます。言語や書物に関わるあらゆる事象がわれわれの研究の対象です。文献の着実な読み、また、言語のもつ精巧さへの興味に根ざしながら、漢字文化圏全体を見渡す広い視野を養います。
国語学・国文学・中国語学・中国文学・日中比較文学
出版史、書物史
中国文学
上代国文学
言語学、文字論
日本語史、言語文化史
日本中世文学
中国語学、言語学
日本近代文学
欧米の言語および文学の研究を中心に据えながら、関連領域にまで視野を広げた研究を進めます。
ことばの構造や意味について、母語話者が獲得している規則を明らかにすることを目標に、人間の認知や社会との関わりから、英語を含む自然言語を研究する言語学・英語学。
詩、戯曲、小説の3つのジャンルにわたって、代表的な作家の文学作品をそれらの背景となる歴史・文化・思想も視野に入れて研究するイギリス言語文化学。歴史と文化全般にわたる幅広い視点をもち、地域的にも文化的にも多様な文学を研究するアメリカ言語文化学。ドイツ、スイス、オーストリアに広がるドイツ語圏の言語芸術を、「中欧」としての歴史地理的・文化的コンテクストを踏まえて探究するドイツ言語文化学。
フランス語を究めつつ、フランスの詩や小説などを、他の芸術分野(映画、美術)や学問分野(ジェンダー学)などにも目配りしつつ研究するフランス言語文化学。以上の領域から成り立つのがこのコースです。